杉山: 須賀さんが塾長を務めておられる丸の内起業塾にはどのような方々が参加されていますか?
須賀: 場所が丸の内のど真ん中ですので、基本的にはこの近所の大企業や官庁のバリバリの現職、30代半ばの方が圧倒的に多いです。時間帯・場所柄、水曜夜7時からという時間帯ですので。それと授業料が決して高くはない、かといって10回来ると15万で、その程度の負担は厭わない人たち、というところで。必然的に、地域性に時間と価格帯がかぶさって、一言で言うと非常にレベルの高い集団が来ています。
杉山: 受講料の負担者は個人ですか?会社ですか?その割合はどれくらいですか?
須賀: 比率的には、企業派遣の方はだいたい3割で、自腹の方がほとんどです。中には会社や役所に内緒で来ている方もいます(笑)。後は、医者、公認会計士、弁護士とかも。事務所をスタートし、経営の手法が学びたいということもあるみたいですね。
杉山: 実際に起業する人たちはどの程度おられるのでしょうか?
須賀: あのね、非常に悩ましい話ですが(笑)、来ている人達の水準も意欲も高いし、学歴も超有名一流大学を出た人がほとんどです。修士号・博士号を持っている方もいる。ほとんどの人は基本的に自営ではなく今現在大企業で務めている。中にはもう辞めることをほぼ決めた上で来ている方もいらっしゃっています。
杉山: 腹をくくっているという?
須賀: ほとんどの人は現職30代半ばのバリバリで、意識の高い人達だから、仕事もできる人が多いわけですよ(笑)。したがって、大企業や官庁の中でもそれなりに良い職務についていらっしゃる。それをね、わざわざ辞めてですね、いくらビジネスプランのいいのができたからといって、すぐに会社を興す気はあるのですか?いう質問は軽々と僕にはできない。
ただ一般的な傾向としては、開塾当初は「今から会社を辞めて会社を起こしますか?」と質問をしたら、 20人くらいの参加者の中で自営を含めて3人しかいない。でも最近は一応そうやって手をあげさせられると半分くらいが手を挙げるようになった。大企業のあり方も随分変わってきているし、今現在、大企業で良い仕事をしてきたとしても、やはり将来のことを考えると独立したいと相当真剣に考える人も増えてきているのだと思います。ただ実際に辞めるかとなると、僕らも軽々しいことは逆にいえないので。
杉山: 人生かかっていますからね。
須賀: そうなんですよ(笑)。だから相談に見えるんですよ。実際今も一人そういう方の相談を受けていますが、こっちも相当真剣に考えます。僕も、いろいろな業界の人たちの知見や意見を聞いたり、いろいろとリスクの限界や程度を見てもらった上で、「まあ、この人ならやっていけるな」と思えば背中を押してあげますが、中にはいろんな意味で会社を辞めないほうがいいと思う人もあるので、その場合はむしろやんわりと。今の会社を辞めないで社内ベンチャーとかもあるし、起業塾で習ったことは、決して大企業で使えないことは無いので、大いに活用してくれれば大企業も活性化するわけですし。非常に慎重に。僕らは辛い立場なんですよ。
どんどん会社を辞めて会社を作ってもらいたいのですが、やっぱりその人たちのそれぞれの生活がかかっている話なのであんまりいいかげんなことはできないと考えていますね。