杉山:
ところで、うちの会社のキャッチフレーズがDesign YourIdentityなんですが、例えば、いくら問題発見・問題解決の能力を身につけても、そのあとは、アイデンティティがなければ会社も人もきちんと機能はしないと思います。まず自分を知った上で、地域社会・日本・グローバルと常にグローバルな視点で見ることが大切かなと。
阿川:
そうだよね。アイデンティティって言葉は日本語にはないからね。
杉山:
辞書とかでは「自我同一性」ですね。
阿川:
自我同一性って、本来の日本語じゃないね(笑)。「君の自我同一性は何?」って彼女に聞かないよね?そんなこと(笑)。
杉山:
弊社のミッションが、「企業も学校も人も、一番良いと思われるものや、アイデンティティといえるものをデザインしてそれらを発信すること」です。SFCで「問題発見・問題解決」というツールを知りましたが、アイデンティティの重要性も感じました。私の場合は、会社としてのスタンス、個人として自分の位置づけ、N.Y.で13年生活したことがグローバルな目線で物事を見るきっかけとなったので、その視点を活かしたいと思っています。
阿川:
あなたはアメリカにいたことが大きいんだろうね。僕自身も、アメリカにいなかったら、「いったい自分はだれなんだろう」なんてこと考えるようには、ならなかった。そういうことが随分あるからね。アイデンティティって言葉は、まさにその気持ちを表しているんじゃないかな。
杉山:
SFCは帰国生や留学生が多いので、僕にとっては環境がすごく合っていたんですよね。
阿川: あなたはニューヨークだよね。
杉山:
小学校の時は、考える教育でしたね。やっぱり*show and tellとか(笑)。
阿川:
show and tell、僕もやったよ。テレビでやったの知っている?NHKの「ようこそ先輩」に出てshow and tell を小学生にやらせたんだよ(笑)。
杉山:
「ようこそ先輩」に出られたのは知っていますが、show andtellをなさったんですか?僕も小学校時代は自己アピールの練習をよくしました。先生の著書でも、ロースクールへの願書が自分でも赤面するような内容になったと書かれていましたね(笑)。人前で話す、質問をしてもらう、質問に対してまた答える、また質問をするということも考えるプロセスになる。大教室の授業でも先生に当てられるので良い刺激でしたね(笑)。
先生が留学された81年~84年に、僕もアメリカにいました。3歳ごろでしたが(笑)。アメリカで経験したことがSFCの環境と合っていたので、自分にとってはとてもよかったと思います。先生が仰っていた元気や積極性は、これからも重視していきたいと思っています。
阿川: やっぱりSFCで元気な学生と一緒にいると、元気出るよね(笑)、もう歳だから(笑)。
*"Show and Tell"(見せて語る)とは、生徒一人ひとりが、ある品物を持参し、クラス全員にその品物について語る、「人前で発表する練習法」。「説明の仕方」・「話し方」について練習し、表現力を身につけていくための米国で取り入れられている教授法。