株式会社インターリテラシー

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2. パーソナルアイデンティティ


杉山:
ササダさんはお名前がカタカナなんですが、外国の方なんですか?意味はあるのですか?

ササダ: 意味はパーソナルアイデンティティですね。正式には「笹田史仁」という名前ですが、アメリカ人には「FUMIHITO」は長すぎて呼びづらかったので、短くして「FUMI」と呼ばれていました。ブラビス・インターナショナルの設立時に自分自身のパーソナル・ブランドエクイティを創ろうと思い、アメリカ人にいつも呼ばれていた「フミ・ササダ」としました。

杉山: そうだったんですね(笑)。僕もN.Y.ではDiceと呼ばれていました。

ササダ: 英語の名前にしようかとも思ったのですが、これぞという良い名前が出てきませんでした。Fからはじまる英語名ですと、Frank, Fredなどがありますが、全然私のイメージにマッチしません。アメリカの会社にいた時に、上司のアメリカ人女性に英語の名前をつけた方がよいと言われたので、考えてもらったのですが、やはりこれぞという英語の名前はうかばなかったようです。時々クライアントさんから「ササダさんは外人ですか?」って訊かれるのですが、「いや外人ではありません」と答えると、「じゃ日系人ですか?」と訊かれます。

杉山: なるほど、ササダさんの日経の記事などを拝見していますとお名前がカタカナで書かれているので、まず初めに「インターナショナル」とか「海外経験があるのでは?」という第一印象を受けます。ササダさんがアメリカに行かれたのは、15歳で留学されたときですよね。

ササダ: 中学を卒業してからです。

杉山: 大きな決断ですね。

ササダ: 決断というよりも奨学金をもらえたので留学生として、アメリカに行けと言われて。「自分としては、え?アメリカ?」という感じでした。

杉山: ご自身で行きたいというのではなくて?

ササダ: 私はその当時東京にも行ったことが無かったくらいですので、アメリカは想像を絶する国でした。本当に行って大丈夫かなと思ったのですが、アメリカに行けばひょっとすると人生が変わるんじゃないかなと考えて、行くことを決意しました。

杉山: ターニングポイントですよね。

ササダ: ですね、それがなかったら多分今でも四国の徳島にいるかもしれません。

杉山: 記事を読ませていただくと、建築にご興味があるとのことですが、

ササダ: 好きですね。建築系が。建物とかインテリアです。

杉山: で、建築の勉強をアメリカで?

ササダ: 高校1、2年の時だけです。建築の授業で住宅の図面を描いたりしていました。私の先輩留学生ですごくできる方がいました。U.C.Berkleyの建築に進学して、そこからハーバード大学のマスターに行って、ほとんど主席で卒業したのですが、この方にはどう逆立ちしても建築では勝てないと思い、負けず嫌いなので建築以外のことをトライしようと考えました。

杉山: それが出発点となって、今のデザインの世界に入ったのですか?

ササダ: 全然入っていないです。建築は好きでしたがデザインが自分の生涯の仕事になるとは夢にも思っていませんでした。実はカリフォルニア州立大学に入学時は社会学、sociologyをメジャーとしたのですが、入ってみると自分が想像していたものと違うことに気づき、ビジネスメジャーに変えました。Business Administrationです。そこで、3年まではbusiness law,accounting,economicsなどを勉強していました。ビジネス系の仕事をするかどうかはあの当時わかりませんでしたが、勉強すれば仕事があるかも知れないと思いがんばっていました。そうしているうちに私は文字を描くことが好きなことに気づいたのです。

杉山: どういう字ですか?レタリングですか?

ササダ: 活字、手書き文字、ポスターなど。デザイン文字を描くのが好きで、私の兄もレタリングが好きでポスターなどを趣味で描いていました。プロフェッショナルではないのですが、とにかく文字をデザインするのが好きで、その頃は友人からポスターを描いてくれとたまに頼まれていました。

杉山: それは大学生の時ですか?

ササダ: はい、大学の時です。ビジネスメジャーだったのですが、ポスターを描いてくれと頼まれてよく描いていました。それでひょっとしたらこういう才能が私にはあるのではないかと思い始めるようになりました。それで一般教養科目のアートのクラスをとってみました。アートか音楽かと言われてアートにしたのですが、アートのクラスで勉強しているうちに、これ行けるかもという気持ちが湧いてきました。もう一方で、私は写真やカメラも好きで、写真のクラスも平行してとっていました。自分で撮った白黒やカラー写真の現像もやってました。

杉山: 暗室でご自分でですね?

ササダ: 自分の部屋のキッチンを暗室にしていました。写真のクラス、デザインのクラスの両方の世界が本当におもしろく、楽しかったです。大学3年の時に、自分が一生アメリカに住むのなら手に職をつけなければと思い、それならデザイナーってあるなとそこで考えたんです。

杉山: なるほど、手に職をつけるというのが一つのポイントだったのですね。

ササダ: だと思います。アメリカに一生住むつもりでしたから。なんせ、ブラジル丸という移民船に乗ってロサンゼルスに到着するまで2週間もかかりましたので、日本には生涯帰れないと思っていました。

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