ササダ: 私は外資系に勤めていたので、格好つけるというのも変ですけど、会社を立ち上げるのだから、一流の場所の一流の建物で格好よく働いているという自分のイメージがありました。そういう風にしたかったのですが、それはわかるけれども、そうやって成功する確率は低い。それよりも何もないところから始めた方がいいというアドバイスをもらい、最初のオフィスは本当に20坪くらいのオフィスからスタートしました。
杉山:
場所はどちらでしたか?
ササダ: 神谷町でした。神谷町の小さなビルのワンフロアを借りて、そこで5人が働く。机、椅子、什器とかすべて中古品を買ってきて、私は玄関のドアを開けたら一番前に座っていました。
杉山: 入ってすぐの場所ですか?
ササダ: そうです。入ってくる人は皆さんびっくりされてました。社長が入口正面におりましたので。建物も古いマンション風で、友人やクライアントの方も私のオフィスだとは思わずに通り過ぎていました。場所がわからない方から電話があり、どこですかと聞かれると「目の前に茶色いビルあるでしょ」と言うと「あ!」みたいな感じでした。
杉山: 本当に小さくスタートしたのですね。弊社も今、同じですが。
ササダ: そこから始めました。だから、今がある気がします。あの時に何もわからないまま一流の建物を賃貸して、インテリアをデザインし、受付を置くようなことをしていたら、おそらく失敗していたと思います。
杉山: 小さくはじめると、それだけ色々なことをやってきたんだなと思えるようになりますね。ところで、現在のここのオフィスはとても素敵ですが、こちらは何年前に移転したんですか?
ササダ: ここは3年前ですね。
杉山:
人数が増えて、一つの場所に集約するのが難しくなったからですか?
ササダ: そうです。前の神谷町のビルは、最初4階を借りて、3階も借りて、2階も借りて。1階は小さなグラフィックデザイン会社が入っていました。2、3、4階はBRAVISが借りていて、5階は大家さんが住んでおられました。「大家さんに実は会議室も無くなり、新たにデザイナーを採用したくても座る場所も無くなりましたので、5階を借りられませんか」って訊ねたのですが、大家さんは、それでは自分たちが住む所がなくなるので無理ですと言われてしまい、結局そのビルから移転することを決めました。いろいろな方がアドバイスをしてくれました。「フミさん、オフィスを移ることはそんなに難しくないかも知れないけど、本当にこれ以上は無理だとならない限りは移るなと言われたことをずっと覚えていました。
杉山: 現在のオフィスビルは建てたのですか?
ササダ: このビルはスケルトン構造だったのです。インテリアに関してインテリアデザイナーと一緒に私もデザインにかかわりました。
杉山: 移転すると費用はかかりますからね、名刺やら何やら細かいものまで。
ササダ: そうですね。後からよくよく考えたら、あそこにスペースを作っていたらもう一人くらい入れたみたいなことはありました。もっとカッコいいところに移ろうとかするとだめだよとその時でも言われていました。
杉山: 最初の判断が正しかったんですね。
ササダ: 他のデザイン会社の社長さんもそうだし、海外の友人からもそんなことを言われて、そういうものなんだなと思っていました。
杉山: 僕もそうやってがんばろうっと。
ササダ: 杉山さんは2年やられているのですよね。私は自分の会社を始めて3年間は、土日はすべて働きました。全然休んでなかったです。4年目くらいからスタッフも増えてきて日曜日は休めるようになりました。
杉山: 好きなことをやっているのであまり、土日とかは意識しないですね。常に何かできないか考えて、がんがんやっていますよ。