杉山: 僕は先生の著書や作品を拝見していて、どんな仕事をお引き受けになるかについて興味を持っていました。仕事を引き受けられる時の何か基準はあるのですか?
内田: 基本的に基準はないのです。無いのですが、ただね、あのまあちょっと大げさにいうけど、「人のためになるような仕事なら全部やります」と。だから頼んでくれた相手の人がそういう立場にいればやってもいいかなと。でもあまりにもガツガツ利益ばかりのタイプとか、自分はこだわりを山のようにもっているような人間は無理だよね。こだわりが無くて僕のところに来てくれという感じだよね。
杉山: 「人のためになる仕事」、ものすごく共感できます。先生のご著書、Shigeru Uchida with Ikuyo Mitsuhashi InteriorsFurniture and Architeutureの中でもマーケティングの話が書かれておりましたが、試作品は6ヶ月は放置しそれをまた見た時に良かったらまた次のステップに進むと。
弊社も少ないメンバーでやっていますが、個人・企業・学校に対して、これでもかというぐらい一生懸命やるんですね。そうすると自然にコミュニケーションも活発になり、いい作品ができたりするんですよね。広告の仕事などもしますが、一案いくらです、ではなく相手が納得できる、自分達も納得がいくまで仕事をします。考えて動いている共同作業はすごくいいなと思っています。おもしろい仕事、人の役立つ、人のためになるという考えは弊社でも同じですね。
内田: そうだね。やはり、1人ではデザインはできないんだ。いろんな立場の人がいて、僕の事務所だけではなく、外にいる人達と一緒になってやるわけだ。今も言ったようにコミュニケーションがとれないと難しいよね。山に登るのだって、1人は違う山を登って、1人は丹沢を登って1人は富士山に登ろうと思っていたら、丹沢は登れないよね(笑)。
杉山: みんながコミュニケーションをしっかりとることが大切ですね(笑)。