杉山: 先生の本を読んでいますと、先生は「裏切る」ことをやっていると書かれているんですね。たとえば、メタルの時は、木。時代が木になれば、パステルの明るい色の家具など。裏切るということは、次の動きを見ているからできると僕は感じるのですが、今後どのような展開をお考えですか? 先生が裏切るとすればどんなことを考えていますか?
内田: どんなことがあるかね(笑)。裏切るということは気づいてもらえるということだからね。相手に気がついてもらうようなことをしないと。つまり同じことの延長線の中でものを進めていくと既成概念化してしまうんです。
そこで裏切ってやると「そういう見方もあったのか」とか、「そういう考え方もあったのか」ということにみんな気がつく。そういう「裏切り」をずっとしてきたつもりなんだけど、さて今度は次はどんな「裏切り」ができるのかね?(笑)。
杉山: 僕は先生のファンなので、これからも先生の作品はチェックさせていただきますよ。先生の作品には温かさを感じるんですよね。先生が今回の展覧会 [茶のしつらえ ] を開かれている銀座のビルに先日お訪ねしたのですが、ものすごく古いビルでしたね(笑)。昭和初期という感じでした。
その銀座の古いビルの床の石のじゃりじゃりした感じに先生の作品「大海」があると、ぱ!! と目に入るんですよね。あと緑の花活けの上から光が差し込んでいて、それをさえぎるとまったく見えないという、照明って大切だと思いましたよ。
内田: お前閉じたのか?(笑)。 あはは(笑)。
杉山: そうやるとまったく光が入らないなと。僕は先生のご案内には毎回楽しみに足を運んでいます。9月の千住博先生と湯浅法子先生の高島屋での展覧会 [ 風・水・光 和楽な露地三人展 ] もすばらしかったですよ。音楽と作品がとても合っていました。
先生の作品がとても好きなのは、コンセプトがはっきりしているからです。その作品には先生のお考えがきちんと裏づけされているので、先生の作品にはこのような著書に書かれていることからわかる理由付けがされていると。納得できる部分があると。先生のこれからのご活躍を期待しています。